脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎はこんな病気です
- 顔の中でもTゾーンと言われている皮脂の分泌が多い眉間(みけん)、鼻周り、耳などがかさかさと赤くなる病気です。
- 皮脂の分泌異常が原因と考えられていますが、まだはっきりとしたことはわかっていません。
- 疲れ、睡眠不足、ストレス、油っぽい食事、ビタミンB不足、ホルモンによる影響などで皮脂の分泌異常が生じた時に脂漏性皮膚炎が悪くなります。
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皮脂を好むマラセチア菌という常在菌(誰でも持っている菌)が患部で異常に繁殖して悪化する場合もあります。
脂漏性皮膚炎の治療法
かゆみや赤みが強いときはステロイドのぬり薬を使います。マラセチア菌の関与が疑われるときはこの菌を殺すぬり薬を併用します。脂質異常を改善させるビタミンB群を服用する場合もあります。
脂漏性皮膚炎の日常のケア
石けんを使って過剰な皮脂を洗い流すことは大切ですが、強くこすりすぎてはいけません。優しく洗うようにして下さい。
規則正しい生活とバランスの良い食事が大切です。
脂漏性皮膚炎 Q&A
Q:薬をぬるとよくなりますが、やめると再発します。どうしたらいいですか?
A:脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌異常がある体質の方に繰り返し生じる病気です。一旦赤みをステロイドのぬり薬で改善させても、疲れや睡眠不足、ストレスなどがあった場合は赤みが再発することがしばしばです。まずは規則正しい生活を心がけることが大切です。また、マラセチア菌を減らす薬はステロイドに比べ副作用が少ないので、これを使い続けるのも良いでしょう。
Q:薬をつけていても赤みが引かなくなってきました。どうしたらいいですか?
A:一度診察が必要です。脂漏性皮膚炎の赤みではなく、ステロイドの副作用やこする刺激による赤みの可能性があります。細い血管が目立つような場合は薬ではなくレーザー治療が有効です。
〈コラム:脂漏性皮膚炎とステロイド外用剤〉
ステロイドを脂漏性皮膚炎の赤みやかさつきにぬると良くなりますが、元々脂漏性皮膚炎は繰り返す病気なので、どうしてもステロイドを長く使い続けることになります。
ステロイド外用剤は良いぬり薬で、未知の副作用や内臓への影響はありませんが、使い続けると皮膚が薄くなり毛細血管が拡張するため使用部位に赤みという副作用が出る場合があります。
ステロイドを含めたいろいろなぬり薬を工夫しながら使うと、ステロイド単独で使うよりこの副作用は少なくなります。ステロイドが良く効くからといって、こればかりを続けないようにして下さい。